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  英語の先生 2001/06/18(月)



突然思い出した出来事。

私の中学校の頃の英語の教科書って
確か「ニューホライズン」を使っていました。
英語の長文で例の「タイタニック号」のお話が使われていた。
そのときの中間試験で、その長文がテスト問題になった。
タイタニック号が氷山とぶつかるシーンで
船員の一人が目前に迫る氷山を発見して絶叫する
「Iceberg ahead!」(前方に氷山だ!)
このせりふのところに下線が引かれ
問題に使われていた。

…問5 下線部2の意味として正しいものを下から選びなさい。
ア)霧深い宵闇の中、甲板で警戒にあたっていた水夫が目前に迫った氷  山を発見。「前方に氷山あり!」と大声で知らせている。
イ)霧が深く視界が悪いため、甲板前方で氷山の警戒にあたるよう艦長  から指示が出されている。
ウ)氷山とは頂上のほんの一部だけが水面上にあり、実際は海面下に大  きな氷塊があることを艦長が乗客に説明している。
エ)氷山に頭をぶつけて出血したときは首をしめて止血するとよい。

……。
これ、マジです。
イ)やウ)はちょっとうろ覚え。
でもエ)は一字一句たがわずこのとおり。
一応答えはア)です。
イ)やウ)はちょっとそれっぽくても
授業を聞いていれば全く問題外。
ア)を見た瞬間、誰がなんといおうとア)しかないんです。
引っ掛け問題では決してない。
それでも心配性の私は、一応他の選択肢にも目を通しておこうと思い
最後のエ)に出会ってしまいました。
ヒトメボレでした。
心を奪われてしまいました。
その他の問題のことはまったく覚えていません。
試験が終わったとき
他の解答欄に何を書いたのかまったく覚えていませんでした。
しかし最後の最後まで
問5の回答欄にア)とエ)を書いては消していました。
もちろん点数をとりに行くのならア)です。
しかし、そんな次元の問題では無いんです。
この英語の先生、学年主任でもあり、普段はとっても真面目なんです。
冗談もほとんど言わず、低俗なギャグを憎んですらいました。
その先生が、エ)で、勝負してきたのです。
“頭部から出血した際には首をしめて止血せよ”
というデンジャラスジョークを引っさげて
ガチンコ勝負を仕掛けてきたのです。
「氷山にぶつかった奴がいたら止血の前に引き上げろよ!」
とか、
「血ぃとめるついでに息の根止めてどーすんだよ!!」
とかいったツッコミなど
それこそ走馬灯のように浮かんでは消えていきました。
もうテスト中、はらわたちぎれる思いでした。

ところがぶったまげたのはテストの後の最初の授業。
例の英語教師が淡々とテストの解説をはじめる。
「…えぇと、問5は…あぁ、これはサービス問題ですね。
 ア)以外を書いた人はいないでしょう。
 …それでは、次の問6。この問題は…」
……。
あっぶねぇ。思いっきりエ)って書くとこだった。
…それにしても
教室中が文字通り凍りつきました。
この先生、全くクールに、表情一つ変えずに
サービス問題って…。
そりゃぁねぇだろう。
あんだけの事やらかしといて。
普通ならちょっと照れ笑いしながら
「あれ、どうだった?」
とか聞くもんでしょ。
この学年主任が自分のダイナマイトジョークに
いったいどんなコメントを残すのか
学年中の注目の的だったのです。
それを、全くのノーコメント。
それこそ選択肢エ)など無かったかのように。
……。
はなっからこの先生
確信犯だったんです。
自分のハイセンスなジョークに絶対の自信をもっていたのです。
だから、皆の反応などちっとも期待していなかったんです。
「あれ、面白かったですよ」
とか
「先生最高!」
なんて言葉、それこそ彼にとっては片腹痛いんです。
面白いに決まっているんです。
だからこそア)で決まりきっている問5の
エ)なんてところに平気であんなジョークを置けるんです。
実際エ)に気がつかなかった人多かったんですよ。
でも、読み飛ばされることなど百も承知だったんでしょう。
彼の芸術的なまでのジョーク・センス。
緊張感あふれる真面目なテスト問題。
その中にさりげなく紛れ込む異質なジョーク。
しかもその内容はとってもシュール。
頭っから血ぃ流して首しめて止血すんですよ!
どうします?
あれ以来頭っから出血している人見ると
笑いが止まらないんですよ。
もう完敗です。
あの学年主任の厳しいマスクすら
自らのダイナマイトジョークを際立たせるための
演出にすら思えてきます。

とても印象的な先生でした。
もちろんこれ以外にも、いくつかやらかしています。
例えば。
別のテストの問題で、問題用紙の右上の隅に、ちっちゃい文字で
“壁に耳あり、正直メアリー”
……。
意味なんて無いんですよ。
そう言うもんじゃぁ無いんです。
テストの本文と全く関係無いんです。
でも、真剣なテストのしょっぱなに
こんなもん見てしまったら
もうテストどころじゃないんです。
負けです。
完敗です。
はらわたがすぐちぎれちゃうんです。
しばらくくっつきません。

高校時代にもこの手の英語教師がいました。
文法の先生でものすごく目が鋭いんです。
笑った顔など見たこともないし
それこそ背の低いゴルゴ13なんです。
あるいは二、三人殺していたかもしれません。
まぁ、ともかく。
この先生、見た目とは裏腹に
小ギャグが大好きなんです。

うちのクラスの出席番号一番、確か秋田君でした。
彼の出席をとるのに
……
え〜、では。出席をとります。
青森。…岩手。じゃない秋田。

もちろんベタです。
活字にするとぜんぜん面白くない。
ところがあの先生が言うと断然面白いんです。
とにかくニコリともせず、突然くりだしてくるんです。
しかもそれでうけたとかすべったとか
皆の反応をちっとも気にしないんです。
ただ淡々と、市原君、上野君の出席をとっていくのです。
ものすごくクールな親父ギャグ。
初めて出会いました。

この授業、市販の問題集を使っていたんです。
いろんな大学入試の過去問から抜粋しているような本。
だからこの問題集の中の問題って、必ず最後に出題大学名が
括弧がきで書き込まれているんです。
その中のひとつに
……下線部3を訳しなさい。(東海女大)
っていうのがあったんです。
この先生、これを読んで。
……
ほ〜。東あま(海女)大学ですか。
というと西にもあるんでしょう。
海女さんになるにも大学行かなきゃ行けないんですねぇ。
皆さん知ってました?
私は初めてですね。
ウニ採り実習とか、ハマグリ実習とか…あるんですかねぇ。
最低必修漁獲量とか決められたりしてね。
漁獲量が足りない学生は就職活動中も必至だ。
まぁ、その辺にして。
じゃぁ、次に問題。

…って、行けるか次の問題に!!
一人でさんざん暴走しといて完結するな!
どう見ても東海・女子・大学だろ。
東・海女・大学なはずねぇだろ!!
ついでに西にも無い!

これをニコリともせず真顔でやられてごらんなさい。
もう涙がちょちょ切れてくる。
しかも普段は一切雑談なしの硬い授業。
とてもギャグが出てくる雰囲気じゃぁ無いんです。
でも、そういう授業が続いてくると
突然ダイナマイトジョークが炸裂です。
油断しきった皆の心を木っ端微塵にします。

……。
この二人の先生。
こういうセンスにあこがれます。
悔しいぐらい笑っちゃうんです。
緊張感あふれる状況を
ピンポイントで狙ってくるんです。
しかも普段はいたって真面目なんです。
もう、そういった全体に
ものすごいセンスを感じます。
私の理想像であり、憧れです。

皆さんの身近にも
こんな偉人っていませんか?
ふと思い出したので書いてみました。
これはそんなコラムです。

偉人の伝説。
コメント期待してます。





 (しょういち #79D/WHSg URL
“壁に耳あり、正直メアリー”!! 参った。マジで参った。
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 (しょういち #79D/WHSg URL
「偉人の伝説。コメント期待してます。」今晩、寝ずに思い出してみます。がんばりまっす。
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 (masako #79D/WHSg URL)
コメント・・・う〜ん・・・。赤い靴履いて出直してきます!
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 (犬司 #79D/WHSg URL)
コメントをいただけると大変ありがたいです。
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 (犬司 #79D/WHSg URL)
でも、しょういちさん。ちゃんと寝てくださいね。
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 (犬司 #79D/WHSg URL)
それとmasakoさん。「異人さん」じゃなくて「偉人さん」の伝説…お願いします。
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 (masako #79D/WHSg URL)
手にスタンプは押してないけど、出直してきました。異人さんには弱く、偉人さんには縁遠い私です。そんな私を友人は「遠近感があるのよね」と評してくれました。・・・・・思いっきり「親近感」のわく友人ではあります。
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 (しょういち #79D/WHSg URL
偉人、いました。大黒クンです。大黒クンネタ希望!
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 (しょういち #79D/WHSg URL
「手にスタンプは押してないけど、出直してきました」<<ようやくわかった、コレ、東京ディズニーランドネタだね!!
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 (EDO #79D/WHSg URL)
こんにちは。初めてですがよろしくです。毎回楽しく拝見させていただいてます。今回のを読んで高校の数学の先生を思い出しました。夏休み課題の問題集のタイトルが「微分、積分、いい気分!」でした。それも2年連続で。
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