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CoolandCool >> 写真とブログ講座 >> まだ終わらんよ >> ヒトとキリギリス(第四部)
 

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(さてさて。いよいよ第四部です。すみません、だらだらと。
 初めて見にこられた方は、とりあえず数号さかのぼって
 単発モノの駄文でも読んで見て下さいな。
 それで少しでも面白いと思ったら、第一部よりお読みください。
 ちなみに常連の方は、必ず第一部から読むこと!←課題図書指定)


タナカさん宅の庭を横切り
庭に面したリビングの前まできたキリスとギリス。
わずかに開いた窓の隙間から中をのぞくと
子供が一人寝そべって
夢中になってゲームボーイをやっている…


「ねぇ、ねぇ、キリス兄さん。」

『ん?なんだ?ギリスよ。』

「やっぱ、いくら子供って言っても
 間近でみると、むちゃくちゃでかいよね。人間って。」

『ふんっ!デカイだけさ。
 あんだけでかい図体して、羽音一つ満足に鳴らせない
 哀れな脊椎動物どもさ!』

「兄さん。また、そうやって…。
 相変わらず口が悪いんだから。
 ……
 それよりさ。
 なんだか、あの子供が熱心にやっているアレ。
 あのピコピコ音がでてるやつ。
 アレって、何?」

『んっ?…アレか?
 アレは、確か…えぇと…そう。
 そうだ。確か、あれは“ゲームウォッチ”とかいうやつだ。』

「………
 ……
 …
 あれっ?
 ……兄さん!」

『何だ。』

「読者のみんな…誰もついてきてないよ。」

『な、何と!』

「なんか…こう…
 途方もなく分厚いジェネレーションギャップのような何かが
 こちらとあちらを隔てているような…」

『あ、あ、間違い。すごぉく間違いでした、皆様。
 し、失礼いたしました。
 あれは…えぇと…確か…
 そう。あれは、“たまごっち”でした!』

「………」

『あ、あれだね。
 “ファミコン”って言ったっけ?違う?違う?
 もっとちっちゃいの?
 それじゃぁ、あれ?
 あのぉ…“ザウルス”?
 えっ?それはゲームじゃない?
 えぇとね、それじゃぁ…分かった!
 “カセットビジョン”!
 ね。当たり?当たり?』

「あ、もう、いいよ。兄さん。
 ぢつを言うと、僕、たいして興味ないから。
 それよりも、僕をないがしろにして
 誰か他の人と会話するのやめてくれる?」

『そうか?もういいか?
 まぁ、あれだな。
 ああ言うゲーム機は種類が多すぎてね。
 さすがの兄さんにも…』

「ところでさ。
 あの子供。いつ僕達に気がついてくれるかな?」

『何を言っている我が弟よ。
 いつ気がついてくれるのか?ではなく
 これから気づかせるんだよ。お前が。』

「えっ?ぼ、僕が?」

『そうさ。
 ああいうゲームに熱中している子供はお手上げ。
 まわりのことなんて眼中にないから。
 いくら待っていても気づいてなんかくれないさ。
 けれども、所詮、子供は子供。
 こっちがその気になってアピールすれば
 動くものにはすぐに飛びついてくるよ。
 なんといっても、子供はみんな、昆虫大好きだからね。
 『いつの時代も、子供は夢見るプチ・ファーブル』
 えぇと…なに子ちゃんの言葉だったっけな…
 まぁ、そう言うことだから
 安心して、逝ってこい。ギリスよ。』

「だから、そう言うことなら
 安心して兄さんが行ってくればいいじゃないか。
 いつも危険なことは俺ばっかし…」

『ははは。何を言っているんだい?ギリス。
 兄さんにだってちゃんと考えがあるんだよ。
 そうだなぁ…
 分かりやすく言うなら…
 そうだ。例えば、こんなことわざがある。
 「俺が口からイモ食って
  お前のケツから屁がでるかい?」ってね。』

「………それ、どう言う意味?」

『つまりさ。
 いくら俺達が一心同体の仲良し兄弟だからって
 俺がイモ食べても、お前からオナラは出ないだろう?
 それと同じように
 いくらお前が叩き潰されたって
 俺が死ぬ危険はちっともないじゃないか。』

「そういうことマユ一つ動かさずに言える
 兄さんの精神力の強さは相当なものだね。」

『ははは、そうだな。
 遠慮せずにもっとほめてよいぞ♪』

「ほめてなんかいないよ!」

『どうした?ギリスよ。
 恥ずかしがらずにどんどん兄をほめていいんだぞ?』

「………
 もう、いいよ。
 僕が行ってくるから。」

『そうか!行ってくれるか!
 偉いぞぉ♪ギリス。
 聞き分けの良い弟は、お兄ちゃん大好きだぞ。』


こうしてギリスは
ただ一人、勇気を出して子供の前へと歩き出しました。
トボトボと。しかし、慎重に…。
子供の視界のギリギリいっぱいのあたりを
さりげなく意識しながら歩き回る…
三歩進んでは、二歩もどり、そして今度は…
ちょこちょこ、ちょこちょこ。

「も、もうちょっと…近くまで寄ってみようかなぁ」

慣れてくるにつれ、次第に大胆になるギリス。
恐怖心よりも好奇心がつのりはじめる。


と…その時。


ふいにゲームボーイから目をそらした子供の目と
ギリスの視線とが交錯する。
神の戯れか、悪魔の仕業か。
一瞬にして凍りついくギリス。
顔から血の気が引き(正しくは体液。)、そして
…時が、止まる。

「先に目をそらしたら、殺られる!…なんとなく。」

ピンと張り詰めた緊張の糸は
しかし、あっさりと切れる。
先に目をそらしたのは、子供のほうだった。
ふたたび、何事もなかったかのように
手もとのゲームボーイに目を落として熱中する。

こうして、事無きを得たギリスは
一目散に、兄の元へと撤退する。


「兄さん!!むちゃくちゃ怖かったよぉ!!」

『う〜む。
 その割には…
 なんかちっとも実りがなかったな。』

「そういう冷たいこと言うなよ!」

『だって、お前。
 子供の気を引くのが目的なのに
 気づかれてびびって逃げ帰ってきたんじゃぁ
 意味がない。
 しかも、あまり興味を引きつけてない見たいだし…』

「それは、そうだけどさ…」

『あれだな。
 アピールが足りないんだよ。アピールが。
 例えばさ。お前、バッタじゃん?』

「兄さんだって、そうだろ!」

『俺のことはいい。
 とにかく、お前はバッタなんだから。
 もっとバッタらしさっていうの?
 ちゃんとアピールしなくちゃ。』

「バッタ…らしさ…
 例えば、ジャンプするところ、とか?」

『それはベタだね。誰でも思いつくよ。インパクト弱すぎ。
 もっとさぁ…こぅ…ぐっとくるような…
 そうだな。
 むしろ“緑っぽさ”を全面にアピールすような…』

「み…みどり?」

『そう。
 お前のあふれんばかりの緑っぽさを
 余すところなくアピールすればいいんだよ!
 これならインパクトあるよ。
 例えばさ。こうするんだ。
 あの子供がお前に気がついたとするじゃん。
 そしたらさ、いきなり目の前で腹かっさばいて
 ハラワタとか体液とかそこらじゅうにぶちまけて
 「もう、全っっっ部、緑ッス!」
 くらいアピールするんだよ!
 うわぁ、もう、緑々しぃ♪』

「なんだよそれ!緑々しぃって。死んじゃうだろ!」

『死ぬほどアピールするんだよ!堂々と!命がけで!』

「そんな、無茶なぁぁぁ!!!」

などと不毛な言い争いを繰り広げていると…
いかにもかったるそうに
子供が台所に向かって声をあげる。

“ママァ。変な虫が入ってきてウザイんだけど…”


「に…兄さん?」

『……ん?』

「つまり…この子が…
 夢見るプチ・ファーブル?」

『………
 ……
 …
 まぁ、あれだな。
 原則には例外ってものがあるからな。ははは…。』



というわけで。
あっさり子供に無視され続けるキリスとギリス。
“孫子(まごこ)の兵法”すら通じない強敵相手に
二人の勇者は、どう戦うのか?
むしろ、ここまでダラダラと引っ張った作者は
一体どうやって終わらせるのか?
終わるのか?
大丈夫なのか?
やっぱりごめんなさいなのか?
いつもより多くの不安を胸に
キリスとギリスと作者はの冒険は
疾風怒涛の第五部へ…


つづく




…かもね。(おい)









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