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  じゃんけん 2002/11/12(火)



『なぁ、イソノ。俺達ふたりでじゃんけんして
 勝った方がハナザワさんに告白するってのは、どうだ?』

「……い、いや…、どう?って聞かれても…
 そんなの告白したけりゃ、勝手にすればいいだろう。
 まさか、ナカジマ。お前…ハナザワさんのことが…」

『そうじゃないよ、イソノ。
 そういうことは、問題じゃないんだよ。
 じゃんけんで勝った方が、ハナザワさんに告白するんだ。』

「だから、いやだよそんなの。
 なんでじゃんけんで勝ったのに
 ハナザワさんなんかに告白しなきゃいけないんだよ。
 ふつう、カオリちゃんだろ。」

『ハナザワさんだからこそ、意味があるんだよ。
 イソノ、やっぱお前、わかってないよ。』

「なにがだよ!だって、おかしいよそんなの…」

『おかしいのは、イソノ、お前だよ。
 やっぱりお前“じゃんけん”ってものが
 ちっともわかってないよ。』

「なに言ってんだよ、ナカジマ。
 おまえの方が、ずっとわけわかんないよ。」

『なぁ、イソノ。
 お前んチってさ、番組の終わりに
 いつも“じゃんけん”してるだろ。』

「な…なんだよ!その、“番組の終わり”って…」

『番組の終わりは、番組のおわりだよ。
 ほら、お前んチのサザエが
 「ウンガックック」とかわけわかんない奇声を発したあとに
 いつもじゃんけんしてんだろ。』

「おいおい、サザエって…呼び捨てかよ。」

『そりゃそうさ。「さん」つけるのは、番組名だけでじゅうぶんさ。
 俺達だって出演してんだぜ。サザエと一緒さ。
 もっと、プライドもてよ、イソノも。』

「ナ…ナカジマ…。お前、なんか今日、へんだよ。」

『だから、おかしいのはイソノ。
 お前んチの“無意味なじゃんけん”なんだよ。』

「じゃんけんの、どこが無意味なんだよ!
 結構、評判いいんだぞ、あれ。」

『それはお前、日曜のあの時間に
 家でサザエ見るくらいしか能の無い奴らに、いくら評判よくったって
 あのじゃんけんは、結局、無意味なんだよ。
 無意味なものは、どう逆立ちしたって、無意味さ。
 なぁ、イソノ。
 お前さ、じゃんけんの本質って、考えたことある?』

「ほ、本質ぅ?…な、なんだよ、それ」

『ほら、これだよ、イソノは。だからお前のじゃんけんは浅いんだよ。
 お前のじゃんけんには、魂がないんだ。』

「た、魂ぃ?…一体、何が言いたいんだよ!」

『いいか、イソノ。
 たとえば、“ぐー”と“ちょき”の間に
 本質的な優劣があると思うか?』

「当たり前だろ。そんなの。
 “ぐー”は石、“ちょき”はハサミだから、石の方が固い。
 だから“ぐー”が勝ちに決まってるだろ。」

『浅いよ、イソノ。お前は、どうしようもなく、浅いよ。
 例えば俺なら、ハサミで石を砕くね。
 こう、ハサミをしっかり握って、ガツッと石に突き立てれば
 それをほんの何度か繰り返せば、石なんて、かんたんに砕けるさ。
 なぁ、イソノ。
 ハサミより石が強いなんて、それは、幻想だよ。
 それは、マボロシなんだよ。イソノ。
 それは浅はかな愚か者が見るマボロシなんだよ!
 なぁ、いい加減、目を覚ませよ!イソノ!』

「な…何言ってんだよ!マボロシとか幻想とか浅はかとか。
 一体、お前、何様だよ!
 ぐーがちょきより強いのは
 そういうルールだからに決まってるだろ!
 ハサミで石が砕けるとか、そういうことは関係ないんだよ!」

『これだよ、イソノは。
 お前はいつだって、そうだよ。
 そういう、甘ったれた世界で生きてやがる。
 いいか、イソノ。
 お前が言う、その“じゃんけんのルール”ってヤツで
 「じゃんけんに勝った方がハナザワに告白」っていうのは
 禁止されているのか?』

「そ…それは…
 それは、当人どうしの勝手だよ。
 ハナザワさんが好きな人どうしで、じゃんけんすればいい。」

『あのブタ鼻(ハナザワ)が好きかどうかは問題じゃない。
 個人の好みなんて、どうでもいいんだ。
 いいか、イソノ。
 じゃんけんには、どんな条件だってつけられる。
 じゃんけんは、それ自体
 無色透明の、単なる組み合わせに過ぎないんだ。
 ぐー、ちょき、ぱーの組み合わせに過ぎないんだよ。
 例えば
 「じゃんけんに勝った方がハナザワに告白する」っていう条件の時
 俺が“ちょき”、おまえが“ぐー”だったら
 お前、じゃんけんに“勝って”嬉しいか?』

「嬉しいわけないじゃないか!
 それは、そんなじゃんけん自体がおかしいよ!」

『おかしくはないさ。
 それでもじゃんけんなんだよ。
 むしろ、お前のじゃんけん概念がまちがっている。
 「ボクはグーだ。チョキより強いんだ。
  だからボクはナカジマよりもイイコトがあるんだ!」
 という甘えだよ。甘ったれだよ。お前は。
 現実は、もっと、ずっと、しょっぺぇんだよ。イソノ。
 現実は、いつだって、しょっぺぇんだ。
 それを理解するためにも、今のお前には
 「勝った方がハナザワに告白じゃんけんぽん」が必要なんだよ。』

「ナ…ナカジマ。
 ちょっと気になったんだけど…
 お前、いくつ?」

『うるせぇ。お前とタメだよ。
 とにかく、“なんの条件もつけないじゃんけん”で盛り上がってる
 お前ら家族は間違ってるんだ。
 じゃんけんって、そんな甘っちょろいもんじゃねぇんだよ。
 条件をつけてはじめて、じゃんけんは勝ち負けするんだ。
 条件をつけないじゃんけんは…
 そんなもの、じゃんけんじゃない。
 その証拠に、勝った方がハナザワという条件をつければ
 チョキはグーより“強い”んだ。
 さぁ、いくぜ、イソノ。
 お前に、新しい世界を見せてやるよ。
 これこそ、じゃんけんだ。
 ……
 ♪勝ったらハナザワ、じゃん、けん、ポン!!』


イソノはグー。
ナカジマは…

チョキだった。



イソノは、その日、ハナザワに告白し
そして、あろうことか…撃沈した。

「ごめん、イソノくん。
 あたし、イソノ君のこと、友達以上には、思えないの…」

それは、むしろ、死刑宣告に近かった。
現実は、とほうもなくしょっぺぇと思った。
「俺が生きるには、現実は…つらすぎるよ。」
しかし、ハナザワの最後の一言が
イソノに、生きる勇気を与えた。

「それに…あたし…じつは、ナカジマ君が好きなの♪」

逆転勝利!
イソノは自分の勝利を確信した。
やはり、グーはグーであり、チョキより強いのだ。
それが、正義であり、真実だと確信した。



時は流れて…

それから、10年後。
ナカジマとハナザワに3人目の子が生まれた。
ナカジマ似ですごく生意気そうな、ブタ鼻の生命体だった。
「イソノ、どうだ?俺の子、かわいいだろう♪」
そこには、幸せいっぱいのナカジマとハナザワがいた。
それは、あの日のじゃんけんの
微妙な敗北感そのものであった。


現実は、やはり想像以上にしょっぱかった。






 (masako #79D/WHSg URL)
ちっとも関係なくて恐縮ですが、お知らせまで。YAHOOADSL
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 (masako #79D/WHSg URL)
・・・導入しました。そしてそんなことはちっとも関係なく、やっぱりキーボードの基本からなってないワタクシデシタ・・・・。(がぉーε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=┏( ・_・)┛ダダダ
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 (さちゃこ #79D/WHSg URL)
・・・・おもしろかった(ニンマリ)
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 (KARASU(^-^)ノ #79D/WHSg URL)
ハナザワさんは心やさしい方だと思います。
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 (くみ #79D/WHSg URL
好みは十人十色。(*゚∀゚)ニヤッ
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 (犬司(がおー♪) #79D/WHSg URL)
↑さてさて。レスが遅れてすみません。masakoさん、ヤフーADSL開通おめでとうございます。という言葉もとどかないほど、猛烈なダッシュで逝ってしまわれたようですけど…笑。(がぉーε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=ε=┏( ・_・)┛ダダダ←めっちゃ好き♪)
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 (犬司(うひょひょひょひょ♪) #79D/WHSg URL)
↑さちゃこさん、くみさん。ともに、(ニンマリ)とか(ニヤッ)とかしているのが、微妙にそろってて怖いんですけど…。そしてその間で、すごく普通にコメントを下さっているKARASUさんかと思いきや、名前の最後が…(^-^)ノ←やはりわろてる。笑
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 (カラス携帯 #79D/WHSg URL)
関係ないですが、昨夜母に聞かれました「ASDNって早いの?」(何か微妙に混ざってるぞ…)しょうがないので「微妙な速さだ」と伝えました。
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