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(ようやっとここまでたどり着きました。 初めての方は、大変お手数で申し訳ありませんが 第1部からお読みください。)
こうしてシンデラレは 無事、お城の舞踏会にたどり着くことができた。 といってもまだ舞踏会の前 ちょうど晩餐がはじまったばかりだった。
シンデラレ: ほっ。やっとたどりついたわ♪(筆者注:長かった…反省、猛省) そ…それにしても…すごいっ!!想像以上だわ♪ きらびやかで華麗で… それになんといっても、すぐ斜め前のテーブルが 主賓席の王子様御一同だなんて… さすがは“スポンサー推薦”付きの招待状。すごい魔力だわ。 まさかこんな上等なテーブルに案内されるなんて。 ちなみに…うちの3姉妹たちは… …… あっ、あそこにいたっ! うわ。あんなすみっこだよ。かわいそ。(キャハハ♪) あんなとこからじゃ王子様のハートをどうこうするまえに そもそも王子様の視界に入ることすらできないじゃん! ご愁傷様♪(や〜い、ざま〜みろ〜♪) ま、これで私の正体がバレる心配はなさそうね。 こころおきなく楽しめそうだわ♪ワクワク♪ …… さてと。 それにしても… さすがは王子様ね。 見た目、ちょっとヒヨワそうな感じがするけど… でもとっても気品があふれていて、その上優しそうで… 親が国王って以外にこれといって芸がない男と勝手な想像してたけど なるほど神様ってのはやっぱり不公平ね。 王子様として生まれた上に、あれだけ顔がよくて しかも噂ではすごく優しくて、思いやりがあって 学問もよくできて、馬術もかなりの腕とか… きぃぃぃぃ!! 欠点がないじゃないのぉぉぉ!!! 完璧過ぎるわ。 つくづく、完璧過ぎる。 …… … 却下ね。(あっさり) ん?もちろん却下よ。(にべもなく) え?なに?シンデレラストーリー? なんのことよ。どこの国の話よ。 あるわけないじゃないのそんなおとぎばなしみたいな話! 王子様なんて、あんな高嶺の花 そう簡単に狙って落とせるほど、世の中甘くないの。 そういう無謀な夢はね、寝てから見るものよ。 起きている間にみる夢じゃないわ。 起きている間はねぇ、現実の生活を冷静に見つめた上で そこからぎりぎり射程距離におさまる範囲内で夢を見るものなの。 それが“夢見がちな乙女”ってもんなのよ。 わかる? ロマンチックな年頃の女の子なんて 要するに八割がたリアリストなのよ。 80%理性で現実を見つめて、残り20%で夢を見てるの。 でも、たった20%の夢を絶えず見てるの。決して失わないの。 たった20%の夢に酔いしれることができるの♪ たった20%の夢に人生の80%を突っ込めそうな勢いなの♪ もちろん、勢いだけよ。勢いだけ。 だから「100年に一度の恋」を何度でもできるのよ。
ま、そーいうわけで 今日、こうして舞踏会に参加できただけでも 十分過ぎるほど“めっけもの”なんだから あとは無謀な夢に惑わされず きっちり、手堅く、勝ちにいくわ!(決然と言い放つ!) というわけで… とりあえず王子様は目の保養として眺めるにとどめて もうちょっと現実的なあたりで… おぉぉう! いるぢゃないの! ここのテーブルの向かいの、しぶ〜いおぢさま♪ きゃっ♪今、目が合った♪ こういうおぢさまのが結局はお買い得なんだから。 やっぱ、おぢさまよね。お・ぢ・さ・ま♪ 若い男と違ってやたらとガッツかないし 精神的にも懐具合にもかなり余裕があるし… よし! 今夜の攻略目標(ターゲット)は決定! 以後は標的を射程距離内に補足しつつ とりあえず目の前の素敵なお料理たちを退治しちゃおうかしら♪ よ〜し♪食べちゃおうぞぉぉぉ!!(文字どうり)
こうして、とりあえず恋愛感情と食欲をすっかり割り切って まずはお食事に熱中するシンデラレ。 恋愛はダンスがはじまってから、食欲はダンスの前に… こういう冷静かつ客観的な状況分析こそが “手堅く勝ちにいく夢見がちな乙女”の本領発揮といったところか。
一方、お料理に目を奪われて文字どうりガッツいているシンデラレを 夢見がちな恍惚の表情でうっとり眺める男がいた… そう、よりによって、王子様その人である。
王子: じい。あの…ほら、あの向こうのテーブルにいるお嬢さん。 あの人は、一体どこのお嬢さんなんだろう?
じい: は…あちらのお嬢様は…(手もとの書類を調べなが) おぉ、これこれ、この方です。 えぇと…あっ、スポンサー推薦で招待された方のようですな。 どうりで、お美しいわけだ。 どこの家のお嬢様かは…スポンサーに問い合わせないことには…
王子: いや、いい。 それにしても美しい… まるで…まるで天使か妖精を見ているようだ… この世のものとも思えない… あっ…ほら、今…口元に赤い花びらのような…
じい: …… … エビの尻尾… のように見えますが…
王子: 可憐だ。
じい: で…殿下?
王子: ほら、また…今度は口元に花が咲き乱れたように…
じい: あれはケチャップとドレッシング… 単なるかけ過ぎです! 殿下、お気を確かに!!
王子: う…美しすぎる…。 あの可憐なお嬢さんには、なんと花のよく似合うことか…
じい: 殿下! で、ですからあれは“花”なんぞではありませぬ。 食べカスですぞ! お気を確かに…。
王子: じい!静かに!! …ほら、あのお嬢さんが、何かを求めている。 ん?…なんだろう?…よく聞き取れない。 あぁ…もどかしい! じい!!あのお嬢さんは、なんと言っているのだ。
じい: はぁ…あのぉ… ん?…どうやら…“タッパー”をよこせと…
王子: “タッパー”?
じい: 殿下、お声が高すぎます!
王子: じい、“タッパー”とは、どのような物だ。
じい: はぁ、あのう、このような形で…半透明で… 残り物なんかを詰めたり…
王子: えぇい、もっと、わかりやすく…いや、もういい! とにかく、この城に、その“タッパー”なるものはあるのか!
じい: も…もちろんその程度のものでしたら、あるかと思いますが…
王子: でかしたぞ、じい!! 今すぐここに、ありったけの“タッパー”を用意しろ。 ありったけ、全部だ! 私みずから、あの方へ“タッパー”をお届けする!
じい: !!!!!!!!!! 殿下ぁぁぁぁ!!お気を、お気を確かにぃぃぃ!!
王子: うるさい!だまれ!とにかく“タッパー”だ!! ありったけの“タッパー”を用意しろぉぉぉ!今すぐだ! あぁ、妖精の君よ… 君はなぜ、そうもやみくもに“タッパー”を求めるのか…。 私には、あふれるばかりの“タッパー”があるというのに…。 その微笑みをただの一度でも投げかけてくれるなら 私は全ての“タッパー”で、その微笑みに答えよう…。 あぁ、私の目には、もう、あなたしか映っていないのに それでもあなたの目には “タッパー”しか映っていないのか…。 できることなら、いっそ“タッパー”になりたひ…。 はぁ〜。じいよ。 なぜ私は“タッパー”として生れ落ちなかったのだろう。
じい: それは“タッパー”では“王子”がつとまらないからでございます! どうか、どうか殿下。お気を確かに。 目をお覚ましくだされぇ!! おいっ!皆の者! 殿下はどうやらご気分がすぐれないようだ。 はやく別室にお連れ申し上げて、お休みしていただくんだ! 早く、早く殿下をお連れしろ!!
王子: こっこら!な…何をする!この無礼者!! 予はこの城の王子ぞ!こら、は…離せぇぇ!! あぁ、妖精の君よぉぉ!! 私は、たとえ何者に阻まれようとも きっと、きっとあなたに あなたのもとに“タッパー”をお届けしますぞぉぉぉ!!
こうして、シンデラレに一目ぼれした “夢見がちな”というより、いっそ“妄想しがちな”王子様は 無事、別室にひきとられた。 一方、食事に熱中していて 王子様なぞ“眼中に無かった”シンデラレは この喧騒にようやく気づいて食べる手を止める。
シンデラレ: あらっ。王子様、なんだか帰っちゃったみたい。 なぁんだ。残念。 せっかくだからもうちょっと目に焼き付けておけばよかったわ♪ …まっ、いいか♪ でも、最後に王子様も“タッパー”とか言っていたような… そうか! 今日のお料理は さすがの王子様でもタッパーに入れて持ちかえりたくなるほど とっておきの料理だったのね。う〜ん。やっぱり♪ って、以外と王子様の庶民的ね…ウフッ♪ よし!そうと決まれば! とりあえず冷めてもオイしそうなものはタッパーに入れるとして お持ちかえりできそうもないシチューとかを中心に食べていこ♪ さすがに全部は食べきれないものね。 ダンス開始までまだ30分くらいあるから よ〜し、ラストスパートぉ♪がんばっちゃうぞぉぉぉ!
こうして… おぢさま狙いで手堅く勝負する “夢見がち”なシンデラレ(目下、食事中)と シンデラレにぞっこんで、ただひたすら暴走しつづける “妄想”王子様(目下、別室で療養中)。 二人の恋の行方は、運命の糸に操られるかのごとく もののみごとにすれ違っていく…。 つか、かすりもせずに…。 果たして、二人の恋は実るのか? つか、そもそも次回で結末するのか? 今回で最終回という予告をあっさりと踏み倒し 当然のごとく連載を続ける筆者:犬司に 本当に最終回は見えているのか? 文章力が残されているのか? っていうか、はなっからそんなものがあったのか?(号泣)
様々な疑問と思惑が錯綜する中 いよいよ今度こそ感動の最終回へ!! (もちろん、終わって感動するのは私くらいです。猛省)
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