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(毎度毎度の続き物。いよいよ第3部までこぎつけました。 というわけでお手数ですが第1部、第2部を先にお読みください。)
魔女: そうそう。そういえば お前さんはお城の舞踏会に行きたいんだったね。
シンデラレ: もちろんよ、おばあさん。 最初っからそう言ってるでしょ。 ね。ね。 だからね。 早く行かないとせっかくの舞踏会が終わっちゃうの。
魔女: そうかいそうかい。 よしよし。 いっておいで。
シンデラレ: ウン♪行ってきます♪ ……… …… … いや。だから「いっておいで。」ぢゃないでしょ! 私がこんなみすぼらしい格好のまんま お城の舞踏会にいける訳ないでしょ。 招待状だっないんだから。 だからその辺のところをおばあさんの偉大な魔法をつかって チョイチョイっと朝飯前に解決してくれるっていうのが 今回のストーリーでしょうが!!!!
魔女: おぉ!そう言うことか! あんまりお掃除に熱中してしまったものだから そういう細かいことはすっかり忘れていたよ。
シンデラレ: だから何度も言うけどそれがメインストーリーなの!!
魔女: まぁ、そういえば… そんな話があったような気もしてきたよ。 とにかく、そう言うことなら任せなさい!! 要するにお前さんをお城に出しても恥ずかしくない こぎれいな身なりに変身させればよいのぢゃな。
シンデラレ: そうそう。最初から何度もそう言ってるのよ。
魔女: よぉぅし! そんならもういちど、我が偉大なる魔力を 見せてあげようじゃぁ、あぁりませんか!! いいかい。シンデラレ。 そこに…そう、そのあたりに立って そしてかる〜く目をつぶって…そうそう。 そのまま動くんじゃないよ。いいね。 よし。 それじゃ…呪文を始めるよ! …… チチンプイプイ…
シンデラレ: もしもし?おばあさん?
魔女: なんじゃい!これから呪文を始めようって時に!
シンデラレ: いや。だって… 確か、ついさっき『お掃除用具一式』を呼び出したときは 「偉大なるマナよ!万物の根源たるマナよ!…」とか やたらとぎょうぎょうしい呪文だったのに 今回はいきなり「チチンプイプイ」って…
魔女: うるさい!そんなの私の勝手だろう! だいたい呪文なんて、なに唱えたっていっしょなんだよ! いい加減なの。おとぎばなしの世界では。 魔女が出てきてなんか怪しげな呪文唱えると ちゃんと魔法がかかるようにできてんのよ!この世界は!
シンデラレ: …… そういう身も蓋もないことを…
魔女: うるさい!いちいち。 とにかく、さっさとかけるよ。 はい。それじゃぁ… チチンプイプイアブラカタ…以下省略きぇぇぇぇいいぃぃぃ!!!
シンデラレ: なんぢゃいそりゃぁぁぁぁ!!!
ボゥンッ!と軽い爆発音がして シンデラレの体は白い霧のようなものにつつまれる。 そして…その霧が晴れてみると…
シンデラレ: う…うそ。 す、すごひ…ちゃんと魔法がかかってる! うわっ♪うわっ♪わ…わたし…変身してる!!!
魔女: ま、ざっとこんなもんじゃよ!(ふんぞり返りながら)
シンデラレ: すっごぉぉぉぉいぃぃ!!! 夢見たい。ほんとに…ほんとにこんなことが起こるなんて♪ 信じられないわ♪ それにしても…なんて素敵な… なんて可愛い『ウエイトレス姿』なんでしょう!!! ……… …… … って、違うでしょ。ね。(目がすわりながら) これ、間違ってるって、わかるよね。ばあさん。 わざわざお城の舞踏会まで行って 給仕さんがやりたい訳じゃないのよ。わたし。 それじゃ今とちっとも身分が変わらないでしょ。ね。 いちいち言わなくってもわかるでしょ。それくらい。 …で? それじゃ一体これはなんの真似かしら? (ホウキを手に握り締めながら)
魔女: いや…なにって… つまり…その…読者サービスってやつをね… か…KARASU君がね「ぜひともコスプレきぼ〜ん」ってね… と…とくに「アンナ・ミラーズきぼ〜んっ♪」なんてね… いまどきね… ちょ…ちょっと古かったかもね…
シンデラレ: ほほぅ(目を細めながら) つまり、そんな下らない理由で こぉんなスカート丈の短いウエイトレスコスチュームを私に着ろと。 あげくに、お客様が“わざと”床に落としたフォークとか拾わされて 「いや〜ん♪しゃがんだらチラッと見えちゃう♪」 なんていうKARASU君好みの“好リアクション”をとれと。 つまりそういうことが言いたいわけ?えっ?ばばあ。 (ホウキをしぱぁんしぱぁん鳴らしながら) 魔女: あ…いや…だめだめ。 そのホウキは…まずいって!やばいって! ね。あぶないから。ね。ね。
シンデラレ: えぇそうね。あぶないわねぇ。 なんせ“チリやホコリを異次元空間まで掃き散らすホウキ” だからね。 こんな危ないものを私が振りまわさずにすむように。ね。 お互いちゃんと真面目にやりましょ。 ね。わかる?(相変わらず目がすわりながら)
魔女: そ…そうじゃな。そうそう。わかるわかる。 ちゃんとわかったから…な。(滝汗) だからホウキは…そうそう。とりあえず床において。 そうそう。 じゃ。気を取り直してぇ〜チチンプイプ…
シンデラレ: 先にゆっとくけど。 ナースとかチャイナドレスとかセーラー服とか そういうの、“ぐー”で殴るから。(かる〜く微笑みながら)
魔女: も…もちろん そ…そんなこと…するわけないぢゃないですかぁぁぁ!! (↑敬語になってるし)
シンデラレ: そうよね。 もちろんそんなしつこいことするわけないわよね。 でも念のためゆっとくけど、『猫耳』とかつけたら即死ね♪
魔女: …も…もちろんつけませんってぇ。旦那ぁ。(限りなく卑屈に)
シンデラレ: そうね。いい心がけね。
魔女: そいじゃぁ。気を取り直して。 今度こそ決めさせていただきやす。 せぇのぉ! チチンプイプ以下省略きえぇぇぇいい!!
またしてもシンデラレのまわりを霧がつつみこむ。 次第に晴れると…そこには… さりげなく宝石があしらわれた シルク地の豪奢なドレスに身をつつんだシンデラレ。 頭にはやや小ぶりのティアラをつけ ネックレスやイヤリング、指輪にいたるまで すべて真珠かダイヤの輝き。 そして、じつに控えめに飾り付けられそれらの宝石類が シンデラレの清楚で可憐な美しさをよりいっそう際立たせている。
シンデラレ: …… う…うそ…これが…私? すごい♪素敵♪信じられない♪ やればできるぢゃないのよおばぁさん!!!
魔女: どうやら気に入ってもらえたようだね。(こんどこそ自慢げに)
シンデラレ: 気に入ったなんてもんじゃないわ♪ もう最高よ、最高♪ 本当に素敵♪あぁ〜んもう♪ 私の思い描いていたとうりのドレスだわ! ありがとう♪本当にありがとう♪おばぁさん!!
魔女: うんうん。それだけ喜んでもらえばなによりさ。 それにしても…ため息が出るほど綺麗な娘だね。 これならどこへ出しても恥ずかしくないね。 さぁ。さぁ。いってらっしゃい。 舞踏会は、もう始まってる頃だよ。
シンデラレ: えぇ。本当にありがとう。それじゃぁ、いってくるわね。
魔女: うんうん。いっておいで。
シンデラレ: えぇ。いってきます。
魔女: うんうん。いっておいで。
シンデラレ: えぇ。 …… … それじゃぁ…いってきますね!
魔女: うんうん。わかったから。早くおいきよ。
シンデラレ: えぇ。 ……… …… えぇと…あのぉ… できれば馬車とかも出して欲しいんですけど!
魔女: えっ?お城は目と鼻の先じゃないかい。
シンデラレ: えぇ。そりゃぁそうですけど…。 確かに10分も歩けばすぐつくんですけど…。 やっぱ“こんな目立つ格好”でお城まで歩いていくっていうのは…
魔女: そうかい。それは気がつかなかったね。 それじゃ、もうちょっとぢみなドレスにかえようか…
シンデラレ: 違うの!そう言う意味じゃないの!それだけは絶対やめて! ね。ドレスは完璧なの。ね。ドレスが悪いんじゃないのよ。 ただね…ちょっと…馬車とか乗ってみたいなぁって…
魔女: 歩いて10分の距離で?
シンデラレ: 距離とか時間とかじゃないの。 馬車がいいの!そういうものなの!絵になるからなの! 素敵なドレスに身をつつんで 『カボチャの馬車』に揺られたいっていうのが あまくせつなひ“乙女心”ってぇものなのよ!!!
魔女: カボチャ?……あ、あの…野菜のかい?
シンデラレ: うん、そう♪…メルヘンチックかなぁって…キャッ♪
魔女: カボチャが?
シンデラレ: うん♪
魔女: 中身…黄色いけど?
シンデラレ: う…うん。
魔女: 種とか…すっごくドレスにくっつくと思うよ?
シンデラレ: う…うん…そうかもね…
魔女: 大広間じゃくて…きっと台所に運ばれちゃうよ?
シンデラレ: や…やっぱし…ふつうの馬車にしようかな。
魔女: そうしときな。悪いこといわないから。 それじゃ…ほいっ♪
シンデラレ: ありがとう。おばぁさん。 そうね。やっぱり、こういう普通の馬車が一番ね。 危うくカボチャまみれになるところだったわ。 今思うと…なんでカボチャなんかに憧れたんだろう?
魔女: まぁ、若い頃はね。 いろいろ過ちもあるもんだよ。 私だって、昔は間違ってあんなオトコに…(遠い目) …… それはそうと。(素に戻る) もう一つ。これを持っておいき。 招待状だよ。
シンデラレ: あぁ、そうそう。これこれ。 これがなければ入れないものね。ありがとう♪ …って…この招待状。 裏に『協賛会社推薦』ってメモが書いてあるのは…なに?
魔女: それはあんた。文字どうり『スポンサー推薦』ってやつだよ。 つまり、一次審査とか二次審査とかを全て免除して いきなり最終の水着審査とかに出場できる上に しかも当然のように審査にうかってデビューが約束されるという とてもものすごい魔法効果が付与された招待状さ。 本来ならスポンサーのお偉いさん相手に あんなことやこんなことまでしないと手に入らない代物だけど 今日は特別私の魔法で用意しといたよ。
シンデラレ: つ…つまり…これで私の舞踏会デビューはバッチリなのね♪
魔女: あぁそうさ。 舞踏会デビューを華々しく飾れること請け合いさ! ま、こんな裏口チケットでもない限り 初めての舞踏会でおうぢさまのはぁとを仕留めるなんて無理だからね。
シンデラレ: あぁ…おばぁさん。 そこは「仕留める」じゃなくて「射止める」ね。
魔女: どっちもかわりゃしないよ。 そうそう。それと最後にもう一つ。 これを履いていきなさい。
シンデラレ: まぁ♪なんて素敵なガラスの靴♪ はぁ〜とっても綺麗♪ …… … つか、何が驚きって… せっかく変身の魔法をかけてもらったのに 今までわたし…“はだし”だったんすね。
魔女: そういう細かいこと気にする娘は…先生嫌いだよ。
シンデラレ: だってぇ…変身前はちゃんとお靴はいてたのにぃ…
魔女: とにかくこのガラスの靴を履いてさっさとお城に行くんだよ! いいかい、この靴には… 最後の最後でお前を助けてくれる素敵な魔法をかけておいたんだ。 いやいや。どんな魔法かは内緒だよ。 とにかく、素敵な魔法さ♪ さて。それじゃ行っておいで。 そして、よくお聞き。 必ず、夜中の12時までに、ここに帰ってくるんだ。いいね。
シンデラレ: えぇ。わかったわ。 夜中の12時を過ぎると、この魔法が解けてしまうのね。 う〜ん。12時かぁ。ちょっと短いなぁ。 もう30分延長とか…ダメェ?
魔女: ダメッ!
シンデラレ: ケチッ! …まぁ。いいわ。 わかった。とにかく12時までには必ず戻るわ。 それじゃぁ。おばぁさん。いろいろとありがとう。 ずっと夢みてきた舞踏会に、いってきます♪
魔女: よしよし。いっておいで。
こうして、果てしなく長いやり取りの末に ようやく無事にシンデラレはお城の舞踏会に旅立ちました。
めでたしめでたし。
って終わることができたら、どんなにめでたいことか。 次回で一応最終回の予定なので もうしばらくお付き合いいただきたく… 毎度毎度ながながと本当に申し訳ありません。では、また。
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