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(毎度毎度の続きものです。 お手数ですが、前号コラムを先に読んでください。)
シンデラレ: ねぇ、ねぇ。ホンと?ホンっっとーに舞踏会デビューさせてくれるの?
魔女: あぁ、本当さ。私の偉大なる魔力をもってすれば そんなことチョイチョイっと朝飯前じゃよ。
シンデレラ: 嬉しい!素敵!最高!!!!! あぁ、夢のようだわ♪信じられない! 私が…この私が、舞踏会だなんて… (しばし恍惚の表情で我をわすれる。) ……… (30秒ほど経過。)
魔女: さっ。そういうわけで。 さっさと掃除のほうを終わらせちまおうかね。
シンデラレ: ………へっ?
魔女: 「へっ?」じゃないよ。 掃除だよ掃除。このお屋敷の。
シンデラレ: ……え?…やっぱ…やるの?
魔女: 当たり前だろ!あんたがやらなかったら誰がやるんだい。
シンデラレ: そ…そりゃぁそうですでど…。 でもあんまり遅くなっちゃうと舞踏会も終わっちゃうし… 話しの流れ的にも…ねぇ。 ここのお掃除って言うのはイマイチ盛り上がりに欠けるし… メルヘンチックでもないし… やっぱここはサクッと省略していく方向で検討でk…
魔女: わたしゃ途中で物事投げ出すのが大っキライなんだよ!! ここの掃除はアンタの仕事なんだろ!えぇ?? だったらちゃんとおやりよ。 まずはお掃除。それから舞踏会だ。 それが順序ってもんだよ。
シンデラレ: は…ハイぃぃ!!!(この人、男爵夫人より怖ひ…)
魔女: よし、そいじゃぁはじめようか。 何もアンタ一人に全部やらせやしないよ。 だいたいこの程度の屋敷。私の偉大なる魔法を持ってすれば…
シンデラレ: なぁんだ!そう言うことだったんですかぁ!!! そんならそうと早く言って下さいよぉ♪ そりゃぁそうですよね。 偉大なる魔女さまのお力をもってすれば こぉんなせせこましい屋敷の掃除の一つや二つ チョチョイのチョイ♪って感じで朝飯前ですよねぇ!!
魔女: ……人のセリフとるんじゃないよ!でしゃばり!
シンデラレ: す…すいません。
魔女: まぁ、いい。 とにかくそういうわけで 私の偉大なる魔力を、今、ここで見せてあげようじゃぁないの。 目ん玉かっぽじってよ〜く見ておきな!
シンデラレ: …… 目ん玉は…“かっぽじる”じゃなくて“かっぴらく”じゃ…
魔女: (ギロリ)なんか言ったかい!!
シンデラレ: ひぃぃぃぃ〜。なんでもありましぇん…。
魔女: ぐずぐず言うやつぁキライだよ。 まぁ、いい。 んじゃ。気を取り直して。 ……… 偉大なるマナよ。万物の根源たるマナよ。 我は万物自然の理を極め 、森羅万象を解き明かすものなりぃ〜。 我が呼びかけに答え、我が意思のもとに具現化せよ。 はぁ〜〜〜きぃぃぃえええええええぃぃぃぃぃぃ!!!!!!
…刹那 部屋中に青白い閃光が煌き ぶぅぅぅぅんという鈍い振動とともに その輝きの中央に何物かが姿をあらわした。
シンデラレ: ……… …… … え…えぇと…。 なんだか『お掃除用具一式』が出てきちゃったんですけど…
魔女: どうだい!驚いたろう!! 見よ、我が究極の魔道アイテム達を!!
シンデラレ: え…えぇと…。 ひょっとして、これで掃除しろと…
魔女: あったりまえじゃないか。 何をいまさら寝言を言っているんだい。 …… んっ? そうか! ははぁ〜ん♪ あんた、このマジックアイテムを そんじょそこいらのお掃除用具一式と勘違いしているようだね。
シンデラレ: …… つか、どっからどう見ても そんじょそこいらのお掃除用具一式とかわりないんですけど…
魔女: だまらっしゃい!!!! まったくいやだね。これだから素人は… (ブツブツ…) いいかい。よ〜くお聞き。 この偉大な魔道アイテム達のすばらしさを説明してやるから。
まずはこのホウキ。 柄は“漆黒の森”の奥深くにそびえる『千年樹』の枝より削り出し その先端には強大な魔力を封じこめた『黒水晶』を埋めこみ さらにハケの部分には シルバードラゴンのヒゲをふんだんにつぎこんだ 魔力あふれる一品! このホウキでひとたび掃けば、チリやホコリはたちどころに 異次元空間まで掃き飛ばされるという『伝説のホウキ』だよ。
そしてこの雑巾だって そんじょそこいらのボロ雑巾とは訳が違うよ。 聞いて驚きなさい。 この雑巾にはミスリル(魔道銀糸)がふんだんに織り込まれていて そこに白魔道を極めた大神官達が 七日七晩「浄化の呪文」を捧げつづけてできあがったのがこの雑巾。 ひと拭きでありとあらゆる汚濁を浄化するという究極の雑巾だよ! しかもその洗浄力はなんと通常のボロ雑巾の7倍!!(当社比)
そして最後がこのハタキ。 このハタキのヒラヒラの部分には 火の山“キラウェア”の火口にのみ生息する あの不死鳥(フェニックス)の羽が使われているんだ。 そして何より驚きなのはこの柄の部分。 こうして柄の部分をクルクルッと回すと 柄が2段階、3段階と自由に伸縮するんだ。 そしてなんと最終的には3メートルの高さのホコリまで 手軽にパタパタすることができるんだよ!!!!!! どうだいどうだいすっごいだろ、ごっついだろ! 驚いただろ、ちょっとちびっちゃっただろ! えぇ〜?
シンデラレ: …… … あ…あのぅ… 柄をクルクルッと回すと3メートルまで伸びるっていうのは それは魔力じゃなくて構造上の問題では…
魔女: うるさい。だまれ。魔力だ。文句あるか!
シンデラレ: い…いえ。ありません。
魔女: それじゃ。さっさと始めるよ!
シンデラレ: は…はぁ〜ぃ。(やる気なさげに) (あぁ〜ぁ。やっぱり私はお掃除かぁ。はぁ〜。 そもそもそんなごたいそうなお掃除道具を 呼び出せるほどの魔力があるなら いっそチョチョイのチョイって掃除してくれりゃぁいいのに。 だいたいなによ。『異次元空間まで掃き散らすホウキ』って… たかがホウキ風情にそんな魔力の無駄使いしないでよ!) サッサッサッと投げやりにホウキをつかうシンデラレ
シンデラレ: …… あらやだ。 このホウキ…すごひ! ねぇ!ねぇ!見てよ!! 掃いたそばからチリやホコリが消えていくわ♪
魔女: あぁ、そうさ。伝説のホウキだからね。 いまごろ掃き散らされたホコリどもは 異次元空間をさまよっているころだろうよ。 ひゃっひゃっひゃ。 …だけど、そいつを使うときは まずこのハタキで高いところのホコリを 全て床にはたきおとしてから使うんだ。 これが“魔道技術の応用”ってやつだよ。
シンデラレ: (…“そんなのお掃除の常識よ!”とかツッコンだら きっと怒られるんだわ。あぶない、あぶない。) おぉぉぅ!そりはナイスアイデアですね♪(わざとらしく)
魔女: だろぅ! 私の手にかかればこんなお屋敷の一つや二つ。 チョチョイのチョイってやつだよ!(やっと言えたよ。)
シンデラレ: それにこの雑巾! ちっとも力を入れなくても かる〜くひと拭きするだけで どんなしつこい油汚れもみるみる落ちるわ♪ …あぁ〜。こんなに落ちるなんて♪うっとり♪ ジョイのCMで大げさにリアクションする主婦の気持ちがわかるわ。 あ〜んもう。 高田順次こないかしら…
こうして魔女とシンデラレは お屋敷の掃除に夢中になって しばし、時を忘れる…
…こうして一時間あまりが経過した。
シンデラレ: はぁ〜。終わっちゃった。 あっという間だったわ。 でも…こんなに綺麗になるなんて♪ なんだか夢みたい♪
魔女: 夢なもんかい。 これが魔法の力ってやつさ。 それにしてもやり甲斐があったね。 私も久々にお掃除に熱中したよ。
シンデラレ: おばぁさん。ありがとう。 私。こんなに充実してお掃除できたの 生まれて始めて♪
魔女: そうかい。そうかい。 そいつはよかった。
シンデラレ: 私。これからも一生懸命お掃除するわ。
魔女: よしよし。 お前はとってもいい娘だね。 それじゃぁ、このホウキと雑巾とハタキは おまえにプレゼントしてあげようか。
シンデラレ: えっ…! そ…そんな! こんな高価なもの。とってもいただけないわ。
魔女: 遠慮するこたぁないよ。 そりゃぁ売っぱらえば 「田園調布に家が建つ♪」くらい高価なものだけど いくら高価なお掃除道具だって おまえのような純粋でひたむきな掃除婦が使わなければ 宝の持ち腐れというものだよ。 大事に使うんだよ。
シンデラレ: あぁ…なんてこと… あ、あたし…夢見てるみたい♪ ありがとう。おばぁさま。 このご恩は一生忘れません!
魔女: よしよし。 さて。それじゃ。 そろそろ私は帰ろうかね。 じゃ。シンデラレや。 元気で、達者にお掃除するんだよ。
シンデラレ: はい! 私、日本一のお掃除娘になります!! ……… …… … おや? ん〜っと… 何かが違うような… …… はっ! おいこらばぁさん!
魔女: っ! な…なんだよいきなり!「ばぁさん」って!
シンデラレ: 全く…危うくだまされるところだったわ。 あぶない、あぶない。 私はねぇ。日本一のお掃除娘になりたいんじゃないの! つか、そもそも日本ってどこよ! そうじゃなくて私が目指してるのはお城よ!お城!
魔女: お城!!!! …… … そりゃぁ無理。もう無理。 さすがにこんばんはやめよ。ね。 お城のお掃除はまた今度にしよう。
シンデラレ: 違うわよ!! 何いってんのよ!なんで私がお城まで掃除すんのよ! 違うでしょ。舞踏会よ、舞踏会!! お城のお掃除してどうすんのよ。 舞踏会デビューでしょ。舞踏会!
魔女: おぉ! そう言えば。なんかそんな話しもあったわね。
シンデラレ: そっちがメインストーリーでしょ!!
…… と、いうわけで。 早くも「シンデラレ」は第2部を迎えたわけですが 未だにお城の舞踏会に到達していないこのお話。 ぶじ、エンディングを迎えることができるかどうか 心配になってきました。 作者は、現在、急ピッチでエンディングを模索中ですので いましばらくダラダラと連載をお待ち下さいな。 暖かい気持ちで。
では、第3部へ。
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